あしたから書店員です。

不思議な感じです。

ここに住むようになって、間もなく20年です。

娘が生まれたころ、近くの公園は、まだ空き地で入れず、

検診などで区役所に行くと、同じ年齢の子がひしめき合ってるのに

みんな、どこで遊ばせてるの? と思うくらい

日頃は、近所で姿を見かけませんでした。

私はというと、車に乗せて遠くの広々とした運動公園まで連れて行き、

走り回らせて疲れさせて寝かすという、いわゆる放牧ですね。

おそらく、他の皆さんも同じような感じだったのではと想像します。

娘が小学校に入学した頃に、ようやく公園が整備され、

徐々に親子連れの姿が増えていきました。

そして、長男が入学した頃、当時の校長先生から

図書室を整備したいので手伝ってもらえないか、

とお電話をいただき、とりあえず図書室を見に行きました。

昼休みの図書室では、図書委員の子たちが野球してました。

誰も本を読みに来ないし、ボロボロで背表紙の字が読めない本もたくさん。

本の分類方法が統一されておらず、どうやら文芸とそれ以外に分かれてる様子。

探したい本の手がかりも掴めないし、どこに戻したらいいかもわからない。

確かに利用しにくい図書室でした。

これを、日本十進分類法にしたがって統一したい。

奥付を見ると、N.D.C.726とか書いてある、あれです。

本があるべき場所にあるようにしたいと、先生はお考えでした。

公共の図書館もこの分類法にしたがって配架されています。

と、聞いてます。

私たちは、小学校用に簡略化された適用例を参考にしましたが、

小学校とはいえ、図書室の本全部だと何千冊……

ひたすらラベルを貼り替え、破れた本を修繕し、大変でした。

大変だけど、この作業、好き。よくぞ、私にお声掛けくださった。

それ以来、図書ボランティアです。

先生の情熱が実を結び、図書室は見違えるように綺麗になりました。

ここで野球をしようなぞ誰が思いつくものか、というくらい。

図書室がきちんと整備されると、児童たちが本を読みにくるんです。

昼休みの終わりを告げるベルも耳に入らないほど、熱中するんです。

ちゃんとした場所さえあれば、本を読むのが好きな子はたくさんいるんです。

公園が出来て人の動きが変わったことと図書室が機能し始めるのを間近で見たことで

町に本屋ができたらいいのになぁ、という思いが次第に膨らみ始めました。

物置に使っていた家も雨漏りがひどく、直すか潰すかの選択を迫られてました。

誰かここで、本屋やらないかなぁ。

誰かって、、、あたしか。

そういうわけで、あたしから本屋はじめます。

あしたから書店員です。

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